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【知らないうちにキケン】妊娠中に重いものは何キロまでOK?妊娠中の影響と知っておきたいこと

「妊婦は重いものを持ってはいけない」とよく言われますが、実際の生活の中で重いものを持たずに生活を送ることは難しいですよね。

きょうだいがいる家庭の場合は、子どもを抱っこしながら家事をしないといけない場面もあるでしょう。ここでは妊婦が重いものを持つことでの影響や対処法、妊婦に注意が必要な転倒や腰痛予防についてご紹介します。

 

 






妊婦が重いものを持ってはいけない理由

妊婦が何キロまで重いものを持っても大丈夫なのか、明確な根拠はありません。それでも医師から「できるだけ重いものは避けてね」と言われるのは、どのような理由があるのでしょうか。

 

腹圧がかかることで「お腹が張る」

重いものを持つとお腹に力が入り筋肉が収縮します。筋肉でできている子宮が刺激により収縮することを「お腹が張る」と表現します。

生理的な張りであれば、安静にすることでおさまります。中には切迫流産や切迫早産につながる張りがあるので注意が必要です。体の負担を軽減させるためにも、お腹が張る刺激は最小限にした方がいいでしょう。



切迫流産とは

性器出血や腹痛を主訴に受診し、胎児の心拍が確認された場合、「切迫流産」と診断されます。すべての人に命の危険があるわけではありません。全体の90%は正常の妊娠に戻ると言われています。出血の色が赤い鮮血である、出血の量が多い、強い腹痛を伴う場合は、流産の危険性がやや高いと考えられます。

切迫早産とは

日本では妊娠22週0日から36週6日までの出産を早産といい、早産の一歩手前の状態を指します。お腹の張りや痛みが持続的に起こり、子宮の出口が開くことで赤ちゃんが出てきそうな状態です。

妊娠28週未満の早産では後遺症が残る恐れがあります。妊娠34週を過ぎると赤ちゃんが自分で呼吸できる可能性が高くなるので、34週まではお腹の中で成長できるように見守りましょう。

 

法律で守られている

就業中に妊婦が持てる重いものには法的な制限があります。労働基準法では、妊婦と産後1年に満たない女性が重量物を扱う業務を禁止しています。労働基準法の本文は以下の通りです。

 

第64条の3 使用者は、妊娠中の女性及び産後1年を経過しない女性(以下「妊産婦」という。)を、重量物を取り扱う業務、有害ガスを発散する場所における業務その他妊産婦の妊娠、出産、哺育等に有害な業務に就かせてはならない。

引用元:http://www.koukirou.or.jp/users/webmaster/shiryo/kijunhou.

妊娠が分かった段階で事業主と相談し、働きやすい職場環境を整える必要があります。長時間の立ち仕事でも「お腹の張り」が強くなるので、働く内容と時間を具体的に事業主に伝えてみましょう。

 

重いものを持つことで起きる妊婦への影響とは?

妊婦の体は日常生活の刺激やストレスなどで多くの影響を受けています。重いものを持つことでどのような影響が起こるのか、お腹が大きくなることで変化する妊婦の体の仕組みから考えていきましょう。

 

お腹の張り

お腹が張る原因は、お腹の締め付け、疲労、ストレスなど日常で感じやすいものから、便秘や胎動など生理的なものなどが挙げられます。なんらかのトラブルが起きている危険信号とも言われており、持続するお腹の張りには注意が必要です。

重いものを持ち続けるストレスでお腹の張りが持続すると、流産や早産率が上がる可能性があります。

 

 デンマーク国立コホート出生研究の論文をまとめたものによると、5kg前後のものを1日に数十回と頻回に持ち上げる、または10kg以上のものを持つことは避けた方がいいと言われています。

5kg前後のものを数回持ち上げる程度であれば問題はないといえます。

引用元:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/23207454/

 

12週以降の流産や早産の原因は複合的な要因によるものがほとんどで、羊水異常や胎盤の位置の問題、感染症などです。

重いものを持つことで体や子宮への負担が増えると免疫力の低下を引き起こし、感染症を招くリスクが高まります。その結果、流産や早産の可能性も高くなるので、5kg以上の重いものを持つことは控えましょう。

 

転倒のリスク

妊婦はお腹が大きくなることで体のバランスが大きく変化します。妊娠初期ではつわりによる吐き気、貧血によるめまいで注意力が低下する恐れがあります。

転倒によってお腹への強い衝撃がある場合は、「常位胎盤早期剥離」を引き起こすことも考えられるでしょう。常位胎盤早期剥離とは通常子宮の上の方にあるべき胎盤が、赤ちゃんが体外へ出る前に子宮壁から剥がれ落ちることです。剥がれ落ちることで子宮壁からの出血がおきます。

 

妊娠後期になると、体の重心は前に移動すると同時に、お腹で足元は見えにくくなります。また女性ホルモンの影響で妊娠中は体の水分量が多くなり、体のむくみが出ることがあります。

子宮が大きくなり、足から心臓に向かう血流が圧迫され足のむくみがひどくなると、足の踏ん張りが弱まり、結果として転倒のリスクが高くなるのです。

 

体のバランスが変化し、足元が不安定な状態で重いものも持つことは、かなりのリスクがあることが分かります。それでも家事や育児の場面では、完全に重いものを避けることは難しいでしょう。

危険を予測して行動すること、転倒するかもしれないと意識を高くもつだけでも自分自身を守ることにつながります。

 

腰痛

妊娠すると「リラキシン」とよばれる関節を緩める働きをするホルモンが分泌されます。大きくなる子宮を支えたり、出産のために骨盤を広げるための必要なホルモンです。妊娠8〜10週頃から骨盤は広がり始めるので、妊娠初期からできるだけ重いものを持たないように注意する必要があります。

子宮が大きくなることで生じる骨盤の不安定さは、腰や背中の筋肉への負担が増えるので、妊娠を理由に腰痛を起こしやすい状態になっています。

 

基本的な持ち方

重いものは体に引き寄せてから持ち上げ、膝を曲げて全身を使って持ち上げます。腰を曲げる中腰の姿勢はお腹、股間節の前側が縮むことで緊張し、お尻や太ももの後ろ側は引っ張られた状態になります。

この中腰姿勢が続くことで、体をまっすぐに起こす時に必要以上にお尻や腰の後ろ側の筋肉を使ってしまい腰の痛みの原因になります。




重いものを持つ場合の対処法

仕事をはじめ、家事や育児をこなす妊婦は、重いものを持たないといけない場面が多くあります。少しでも体への負担が最小限で済むように、周囲の協力やサービスを活用しながら快適なマタニティライフを送りましょう。

 

買い物

最近では妊婦や産後の子育て世代への宅配サービスが充実しています。今ではネットスーパーやネットショッピングの活用が日常的なものになりました。家族や周囲の協力が得られない場合はサービスの利用を検討してみてはいかがでしょうか。

 

スーパーでの買い物を例に考えてみます。

  • 小サイズの大根       750g
  • 白菜 1/2サイズ     1000g
  • 牛乳    (1000ml) 1本   1030g
  • みりん(1000ml)  1本  1250g

 

上記の買い物だけで4kgを超えます。お菓子やパン、軽い野菜などを買っても5kg程度の重量になります。牛乳や重量のある調味料、米、洗剤等の日用品は夫に協力してもらい、比較的軽い食品や日用品の買い物に限定する必要があるでしょう。

 

きょうだいの抱っこ

抱っこなど持ち上げる動作よりも座ったままの抱っこでのスキンシップを図るようにしましょう。2歳児では体重が10kgを超えます。何気なく抱っこしてしまいがちですが、2歳以上の子どもを抱っこする場合、外出時はベビーカーを使い、できるだけ夫に抱っこをお願いするなど、工夫してみましょう。

 

家事

家事は中腰の姿勢になりやすく、長時間立ちっぱなしになることもあります。立ちっぱなしでもお腹の張りにつながるので、こまめに休憩をとるように心がけましょう。

 

中腰になりやすい場面として、

  • 洗った洗濯物を洗濯カゴに入れる
  • 洗濯物を干す
  • 床に落ちた物を拾う
  • 掃除機をかける
  • こどもと入浴する

 

など、多くの場面で無意識のうちに中腰になってしまいます。基本的に膝を曲げる、一旦しゃがんで持ち上げることが大事です。

 

例えば、フェイスタオル5枚、大人2人分の洋服は濡れた状態で5kg前後あります。洗濯カゴの洗濯物をスクワットしながら取れば運動にもなります。もしくは洗濯カゴを台の上など高い位置に置くことで、腰への負担が軽減されます。

 

料理は、炊飯器でご飯を炊いている間におかずを作るなど時間を決めてキッチンに立つ、電気圧力鍋を使ってできるだけキッチンでの作業時間を減らすなど、家電に頼るのもひとつです。

こまめに休憩しながら、余裕を持って家事ができるといいですね。

 

仕事

業務上、重いものを持つなど体への負担が大きい仕事内容の場合、「母性健康管理指導事項連絡カード」の提示が可能です。

主治医等が行った指導事項の内容を妊婦が事業主へ的確に伝えるためのカードで、厚生労働省のホームページで確認することができます。妊婦が働きやすい環境にしていくためにも、積極的に事業主と調整していきましょう。



 

重いものを持ったときの受診の目安

切迫流産や切迫早産など、危険性が高い場合はどのような症状があるのでしょうか。受診の際は、いつからどのような症状があるのかを病院へ伝える必要があります。こまめに体調をメモしておくといつもと違う変化に気づきやすくなります。

 

性器出血

赤い鮮血が少量でも続く場合や、生理2日目の出血を超える量の出血がみられる、大きい血のかたまりが出る場合はすぐに受診する必要があります。茶色に近い出血や下腹部痛を伴わない少量の出血ですぐ止まるようであれば、次の検診で出血があったことを伝えればいいでしょう。

 

下腹部痛

数分おきに周期的な下腹部痛がある、安静にしていても痛みがおさまらない、歩くのがつらいほどの痛みの場合は受診しましょう。安静にして症状がおさまるようであれば問題はないでしょう。妊娠後期になると胎動が激しく、野球ボールのようにカチカチにお腹が硬くなることがあります。我慢できないほど、そして周期的に持続するかが受診の目安になります。

 

頭痛 

強い頭痛が続く、目がチカチカする、目に火花が散ったような感じがする時は血圧に注意しましょう。妊娠高血圧症候群の可能性があります。

 

破水

破水とは、赤ちゃんと羊水を包んでいる卵膜が破れ羊水が体外へ流れ出ることです。破水は透明または薄い乳白色の場合が多く、無臭もしくは甘酸っぱい臭いや海水のような生臭さがあります。

破水により子宮が細菌感染するリスクが高くなるので、シャワーやトイレの温水洗浄便座の使用はやめましょう。外出先で破水したときのために、大きめのナプキンやタオル、下着の替えを持っていると安心です。

 

このほかにも早産になりやすいリスクとして

  • これまでの出産で早産の経験がある
  • 子宮頸部円錐切除術の既往がある
  • 細菌性膣症
  • 検診で子宮頸管長が短いことを指摘される

などがあります。少しでも気になる症状があれば、早めの受診を心がけましょう。




【転倒に注意】妊婦の2割が転倒を経験 

お腹が大きくなると体の重心が前に傾き、足元が見えないことで転倒のリスクが高まります。妊婦の約2割が転倒を経験しており、特に妊娠後期の転倒は妊娠初期の5倍とも言われています。注意すべきポイントをまとめました。

引用元:https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20200511-OYTET50005/



転倒しやすい場所や環境

妊婦はお腹に遮られて足元が見えにくくなります。

妊婦が転倒しやすい場所は、

  • 道路
  • お風呂場など滑りやすい床
  • 自宅のカーペットやコンセント

が挙げられます。

 

妊婦は階段昇降や立ち上がりなど上下方向に動く動作は不安を感じやすいため、慎重になり転倒しにくい傾向にあります。

実際に転倒件数が多い歩行時は、妊婦が不安を感じにくく、注意を怠ってしまいやすいために転倒しやすいと言われています。

引用元:https://nishi-hari.com/post_symptoms/post-3495/

 

自宅ではコンセント類や床に置いてある荷物など、多くの障害があります。家事を行いながら周囲の環境に注意して生活を送ることはとても難しいことです。日頃から自宅の環境を整え、無理のない範囲で動くようにしましょう。

 

安定した靴選び

妊娠中の体を支えるのに重要なのが靴です。足のむくみにも対応でき、大きなお腹でも履きやすい靴を選ぶようにしましょう。

具体的には、

  • 着脱しやすいもの
  • サイズが合っていて、ある程度ゆとりのあるもの
  • 靴底の素材が滑りにくいもの
  • 衝撃を和らげるクッション性のあるもの
  • ヒールは2~3cm程度の高さ、ヒール部分が太く安定したもの

がオススメです。

 

スニーカーの靴紐やファスナーのついた靴はお腹が大きくなると着脱しにくくなります。

最近はアウトドアでも使えるスリッポンが滑りにくく妊婦に最適と言われています。妊娠期間は、着脱しやすく動きやすい靴で散歩を楽しみましょう。



 

妊婦の大敵!腰痛で悩まないために

お腹が大きくなるにつれて腰の痛みに悩む方も多いのではないでしょうか。寝返りするにもひと苦労、そんなどうしようもない腰痛ですが、少しでも自分がリラックスできるように日頃から腰へのケアをしていきましょう。

 

座り方にひと工夫

腰が痛い人は、「骨盤を立てる」座り方を意識しましょう。あぐらをかいた状態でお尻の下にクッションを挟むだけ。今ではいろんな種類の腰痛クッションがありますが、家にあるクッションでも十分骨盤が立つ姿勢はつくることができます。長時間座ると筋肉がこわばるので、ストレッチをこまめにしながら過ごしましょう。

 

シムス位で安眠を

妊娠中でもリラックスして安眠できるシムス位はお腹を守り、肩と両足の3点でしっかり寝姿勢を支えるので、妊娠中の腰痛対策にも効果的です。寝返りすることすら苦しい妊娠後期は、クッションや抱き枕を使用し寝姿勢を安定させることで眠りにつきやすくします。

妊娠中の仰向け寝は、大きなお腹が下大静脈を圧迫し低血圧を引き起こす「仰臥位低血圧症候群」のリスクが高くなります。姿勢が安定しない場合はクッションを挟んで自分なりのリラックスできる姿勢を見つけてみましょう。

 

【シムス位をとる手順】

  1. 体の左側を下に横向きになる
  2. 体をややうつ伏せに近い状態にして、上側の右足を太ももの付け根から曲げて左足より前に置く
  3. 両手は好きな位置に、安定する姿勢をつくる

 

妊婦帯や骨盤ベルトの活用

妊婦帯(腹帯)は、腰部を保護しお腹の冷えから赤ちゃんと母体を守ります。お腹をやさしく包み、下から持ち上げるようにサポートすることで姿勢保持、腰への負担を軽減してくれます。

骨盤ベルトは妊娠中の骨盤の負担を軽減したり、産後の骨盤の緩みの回復をサポートしてくれます。腰をサポートすることで腰痛予防や改善に効果が期待できます。

 

骨盤ベルトの難しいところは種類の多さと正しい位置の付け方です。骨盤でなく腰にベルトをセットしてしまうことが多く、赤ちゃんの世話やしゃがむ動作が多いと、どうしてもズレやすくなってしまいます。

骨盤ベルトを装着する場合は、一度正しく装着できているか確認してもらうといいでしょう。妊娠初期から産後2、3ヶ月程度まで付けるのが理想的とされています。

 

【骨盤ベルトの選び方】

  • いつから使うのか、タイプで選ぶ

産前から使うのか、産後だけ使うのかでタイプが変わります。ベルトの幅も産前と産後では異なります。産前は大きなお腹も包み込むのでベルトの幅は大きく設計してあります。産前から継続して使用したい場合は、仕様を確認してから購入してみてください。

 

  • 通気性、フィットしやすいもの

毎日装着するものなので、通気性がよく自分の肌に合っているかが大事です。帝王切開の場合は、傷に骨盤ベルトが当たり痛みが生じることもあります。傷に当たらない、もしくは肌に優しい素材でできているものを選びます。

 

  • ズレにくいもの

座ったりしゃがみ動作をするとズレやすくなります。座った状態の時に足の付け根に食い込まない、違和感のないものを選びましょう。実際にベルトを着用して生活してみないと分からないことではありますが、骨盤ベルトがズレると効果があまり得られません。正しい位置にベルトが装着できているか、確認しながら使用しましょう。

 

ネットショッピングでは骨盤ベルトの情報が多くあります。骨盤が不安定な大事な時期を守る骨盤ベルトは、装着して着け心地を確認してから選ぶとトラブルが少なく済むでしょう。



最後に

妊娠中は自身の体の変化に喜びを感じつつも、体の不調が出やすく不安定な時期でもあります。特にきょうだいがいる妊婦はお腹の赤ちゃんよりも育児や家事の方に意識が向きやすく、自身の体調をいたわることを忘れがちです。

家族や周囲の協力を得ながら、無理のない範囲で健康的な生活を送りましょう。妊娠期間を乗り越えて、無事に出産を迎えることができますように願っています。